はっきりさせよう治療計画 ~あなたの口はどうなるの?~

治療前に必ず確認すること!

お任せ医療・お仕着せの医療が当たり前のようになっている日本の保険制度による
歯科治療ですが、患者さん中心の医療の時代を迎えた現在では、どのような治療で
あってもしっかりと治療の前にその内容を確認することが必要です。

今回は、治療前に確認すべき項目とその内容について考えて見ましょう。

① 治療の方法
病気の診断の報告を受けた後、それに引き続き治療の方法をどのように選択するかは重要なポイントで、一つの病気に対してもいくつかの治療方法があり、それぞれ
の方法には利点と欠点があります。また、病気によっては治せる限界もあります。
ですからさまざまな方法の中から、あなた自身の希望に合った結果につながるであろ
う治療方法を見つけ、自分自身で納得して選択されるこ
とが必要です。

② 治療のスケジュール
治療の方法を決定するに当たっては、時間や期間の問題も重要です。
たとえば歯医者さんは嫌いだから一回の治療時間が長いことは耐えられないという方は、1回の処置時間を短くし、その代わりに通院回数を増やし治療することになります。しかし仕事が忙しく時間が取れない方や、効率よく治療を進め早く終わらせたいという方の場合には、一回当たりの治療時間を長く確保し集中的に治療して通院回数を
減らすことが必要です。
ちなみに一回の治療時間を3時間以上、場合によっては1日をかけて、数回の来院で治療を完了させることができる場合もあります。このことにより治療が完了するまでの期間を短くすることもできるのです。これらのことは事前に主治医と十分に相談し決めることが賢明でしょう。

③ 治療の費用
歯科の治療には、腫れた歯ぐきや歯の痛みを取り除くといったいわゆる病気を治す
処置と、虫歯で空いた穴を埋めたり失った歯を新たに作るといった壊れた機能を取り
戻す治療とがあります。

そしてそれらの処置を行う場合、その手順やその時に使う器具・機械、またその治療
方法によってもさまざまな方法が選択できます。

これらをどのように組み合わせて治療を行うかということで治療費用は決まります。
健康保険だけではできない方法でも、歯にとっては良い結果をもたらす方法もあり、
これらを比較検討して治療方法を決定し、事前にその治療費用を明確にしておくことも重要です。

今、日本の歯科医療に欠けているものr

お口の中に発生する病気は、生活習慣病であり、また慢性的に進行する病気です。
しかしその治療に当たっては、単純に機能を回復するだけではなく、その回復の仕
方において個人個人の好みが大きく表れてきます。
一般的な医科の治療では、病名に応じて一定の治療方法で展開されるのに対し、
歯科の治療では治療手技や手順また治療に用いる材料において様々な選択方法が
あるため、治療方法は多種多様になります。

たとえば1本の歯を失ったとしましょう。その失った歯への対処には

 ①そのまま放置する

 ②取り外し式の入れ歯を用いる

 ③失った歯の両側の歯に冠を入れてその歯をつなぐブリッジとする

 ④失った部分に人工歯根【インプラント】を入れる

という方針があり、それぞれの方法において異なる設計と材料の選択があり、
具体的な治療方法は10種類以上にもなります。

この様な選択肢の中から自分にあったものを選ばなくてはならないわけであり、
その手順をどなたでも無理なくできるということが必要です。

しかしながら現在の日本の歯科医療ではこのような選択をうまく行えない状況に
なっています。

自分にあったより良い歯科治療を受けるため、治療にあたってはしっかりとその内容を確認するようにしましょう。